大浦家日記~6月号~

皆さんこんばんは(●´∀`)ノ

あきひこです。

いよいよ梅雨に入り、もうすぐ夏本番!!

あきひこは庭に畑を作る為に、

庭に生えている木の根っこを引き抜こうと、

日々格闘しております。

みなさま体調を崩さない様、

くれぐれもご自愛下さい。

それでは、今月も大浦家日記をお楽しみ下さい。

 

「六女」

 5月1日。

大浦家に六女が誕生しました。

名前はアッコさん。(仮名)

アッコさんは、

認知症の進行を心配したご家族と担当ケアマネージャーさんが、

色々と活動できる自由度の高い大浦家の方が合うのでは無いかとの事で、

施設からやってきました。

彼女は、とにかく超ポジティブ。

見学に来た時から、

『私はどこに来ても大丈夫!』と、

明るい表情で宣言していました。

つい最近まで美容師として働いていた彼女は社交性もあり、会話も上手。

すぐに大浦家に馴染みました。

今では毎日のお掃除や調理など、大活躍しています。

そして何といってもありがたいのが、美容師という技能がある事。

ズボラで中々散髪に行かない私は早速カットをお願い。

慣れた手捌きで今まで以上に美男子に仕上げて貰いました。

アッコさんが入居して一番助かっているのは、実は私かもしれません。

 

「表裏」

有る夜。

彼女は毛布に箪笥の中の洋服を無茶苦茶に包む。

不自由な足でヨタヨタとと歩いて、御同輩一人一人に

「お世話ににりました。帰ります。

あなたも身体に気を付けて、元気でね〜。」

と挨拶をして廻った。

何を始めるのかと見守っていたが、職員に

「ハイヤーを呼んでちょうだい」

と凛として命令する。

アレコレ鎮めるもいつになく頑固。

汚言で叫び、聞く耳を持たない。

大きな毛布の塊をヨタヨタと玄関に運び、

タクシー遅しと座り込むストライキ。

夜は冷え冷えとして、タタキから冷たい空気。

家族が脱兎の如く駆け付け、

三者面談が長く続いた。

「帰る」「駄目」の押し問答。

こういう形で帰宅すれば、

二度と大浦家に戻らないのは火を見るよりも明らか。

彼女は叫び鼻水を垂れ激昂する。

血圧が高いので心配だ。

家族の表情にも心労の陰りがみえる。

時計はすでに21時を打つ。

リビングにいる御同輩は、

事ならぬ気配に我儘を言う事なく、静かに事件が片付くのを待っている。

長い経験上なのか第六感が働くのか、考えれば面白い。

とうとう一計を図り、

「血圧が高いのでお薬だけは、飲もうね」と、

なんとか飲んで貰った。

しかしこれは陰謀で、中身は眠剤だ。

見る見るうちに睡魔に勝てず言葉がもつれて、彼女は眠りに落ちた。

疲れ果てた家族は安堵し、

深くこうべを垂れて帰って行った。

どちらも辛い。

私達とて辛い。

こんな辛い仕事は、

他人でないと出来ないだろう。

感慨深い。

翌朝。

彼女は又しても不自由な足でヨタヨタと歩き御同輩一人一人に、

「昨日は、迷惑かけて御免なさいね。」

と修行僧のように回り歩いた。

事の良し悪しは、頭にある。

それでも止められない想いが胸中に有るのだと推し量る。

今でも、狐憑きのように、突然に箪笥を掻き回し始める。

発作のサインだ。

バスタオルだったり毛布だったりに洋服を丸めて、

「私、帰ります」オーラを発信する。

慌てて、ドライブだったり、買い物だったりに付き合って貰う。

その間に洋服は元の箪笥に静かに鎮座する。

箪笥もせわしない。

当人は、帰宅すると、何を考えていたのかを忘れてくれる。

有難い。

人もバイオリズムを掴めばなんとか成るのかもしれない。

最近やっと、暖かくなった。

長い長い寒さが続いた。

短い春だ。

朝早く、玄関の回りを竹ぼうきで、掃いてくれる人がいる。

彼女だ。

「気持ちのいいお天気ね〜」

言葉使いがとても綺麗だ。

激昂している時とは、大違い。

そして、笑い上戸。

少女のように箸が転がっても笑う。

とても癒される。

今日は、昼ご飯の麻婆春雨作りにチャレンジした。

嬉しそうに火の消えたフライパンの中身を何度も撫でる。

それでも、ふとした時に窓の外を寂しげに眺める姿を垣間見る。

帰りたいんだろうなぁ〜と思う。

歳を重ねて全くの他人と、あいまみえる生活。

幸せだろうか?

新人さんが入居すると、彼女は説教を垂れる。

「ここに居なさい。ここは良いわよ〜。

帰っても誰も居ないでしょう?ここに居なさい。」と。

人は誰しも表裏がある。

今日は表。

明日は裏か?

いつ豹変するのかを、彼女自身も知らない。

―この文章は、以前私より文才のあるスタッフが入居者の事を書いたものです。

高齢者の方の葛藤について知って頂きたいと思い、

今月号に掲載することにしました。

入居したら、みんなが楽しく生活していける場所なんて、

実はどこにもありません。

大浦家に入居されている方も、家庭環境や病気、様々な理由により、

仕方なく入居されている方がほとんどです。

それぞれに様々な葛藤があります。

みんな、どんなに不自由でも住み慣れた自分の家で生活したい。

それが分かった上で仕方なく家での生活をやめると決断せざるを得ない

ご家族の心痛はいかばかりか。

そんな中でも、より楽しく、より本人に合った場所をと

選んで頂いた大浦家。

その想いに応えられる様、

本人、ご家族、大浦家。

みんなの力を合わせ、2番目の家を創って行きます。

(※追記:先に紙で配布した大浦家日記を読んで、

「会社にマイナスイメージを持たれかねない内容は書かない方がいいんじゃない?」

と、ご心配の声を頂きました。

確かに。どの施設のHPやブログを読んでみて楽しそうな事しか書いていません。

でも、私はそれは嫌いです。

他人との共同生活。

いい事ばかりなわけない事はみんなわかってます。

それならむしろ大変な現状こそ書いていくべきだと思います。

なので大浦家はそうします。

大浦家に対して悪いイメージを持たれてもかまいません。

だって大浦家の家族に対する愛情はだれにも負けない自信があるから。

ただ、大浦家日記を読んで、このように何か反応をして頂けるのは、

とっても嬉しいです。

本当にありがとうございます。)

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