大浦家日記~9月号~

皆さんこんばんは(●´∀`)ノ

最近外回りをしていたら、

ケアマネさん達に大浦家の事や私自身の事を褒めて頂く事が多くなり、

調子に乗っちゃいそうな自分を抑えるのに必死な、

あきひこです。

大浦家日記。

今月も楽しんで読んで頂ければ幸いです。

 

「思い込みと感覚」

大浦家の長女であるトミさん。

彼女はある現象に対して、思い込みがあります。

ある現象とは、「咳き込み」です。

そして思い込みとは、「寒いと咳き込む」です。

寒さと咳には医学的に因果関係があるようで、原因は様々ですが、

寒さに対して過度に気管支が反応してしまう事で起こるようです。

なので、言っていること自体は間違いではないのですが、

トミさんの場合、自分がその該当者である。

という思い込みが強いようです。

そしてもう一つ。

これは生来のものなのか、

高齢になり衰えたからなのかは不明ですが、

(※おそらく後者だと思いますが。)

暑さへの強さ、もしくは感覚の衰えです。

この二つが悪い相乗効果を発揮し、

トミさんを一年を通して、脱水や熱中症へ誘おうとします。

この一年は、まさにこの思い込みと感覚との格闘でした。

冬は服を着こんだ上で厚手の毛布を2枚、さらにその上へ掛布団。

その上、部屋には暖房がかけられています。

当然、汗だくになります。

すると身体が冷えて寒くなるので、

もっと暖かく、もっと暖かくと悪循環。

こんこんと説得し、一枚減らすことに成功。

しかし、次の日には忘れているので埒があきません。

これを解決したのは、湯たんぽでした。

長い冬が終わり、安心したのも束の間。

まだ戦いは終わっていませんでした。

来たかと思った時に春は過ぎて、夏。

高齢者にはクーラー嫌いが多いのですが、

うちの長女はさらに上を行きます。

扇風機も嫌い。

ちょっとでも風が当たると寒いと感じるようで、

「咳がでるけん切っとくれ。」と、

敏感に反応します。

冬ほどではありませんが布団も当然着込むため、やっぱり汗だくになります。

隠れてクーラーを入れてもすぐに察知され、

「クーラー入っとんやないんな? 切っとくれ。」

どうやら風とエアコンの電源ランプでクーラーを察知していることが判明。

電源ランプを隠してみる。

「あれ、こりゃクーラー入っとんやないんな?」

「入ってないよ!ランプ点いてないやろ」

「おかしいなぁ、なんか風が来よるで」

さらに力技で家族に布団を持って帰ってもらい、夏布団だけしかない様にしてみるなど。

激闘の末、何とか汗をかかずに眠れる環境を作ることができ、慣れて頂く事ができたのでした。

もちろん、咳き込むことはありません。

 

「役目」

サエさんの場合。

サエさんは、大浦家二人目の家族です。

元々息子さんご家族と生活していた頃は、

週5で朝から晩までデイサービス。

家に居る時は基本ベッド上で生活をし、

動くのはトイレくらいだったと聞いています。

大浦家に来てからはベッドで横になるのは寝る時だけになりました。

自分から率先して茶碗洗いや庭の草むしりなどのお手伝いをしてくれます。

糖尿病・高血圧のあるサエさん。

私の事を恋人のように好いてくれます。

私の目があるからか、

以前は好きなだけ食べていた饅頭などの甘いお菓子も少しは控える様になりました。

『以前に比べると、かなり活動的になり、生活の中での楽しみもあって、

とても良い生活環境になっていると思います。』

担当のケアマネさんはそう話してくれます。

情に厚く、寂しがり屋のサエさん。

それでもやっぱり家族と生活できない事への寂しさがあります。

最近では口に出しませんが、どんなに不自由でも、

「家族の元へ帰りたい。」

そう、思っていると感じます。

 

シマさんの場合。

大浦家での生活にも慣れ、

最近ではめっきり幻覚を見る事が少なくなってきました。

しかし、夜突然大声を出すことがあります。

原因は、「夢」です。

シマさんは夢の中で自分が話すことが、

実際声にでるタイプのようで、

昨日の夜も突然。

「皆様に謹んで申し上げます!実はわたくし、この度結婚する事になりました。

この年まで独り身でやってまいりましたが・・・」と、

結婚に至った経緯を延々と話します。

終わったかと思ったら、

「魚はどうしたんか!早よ持ってこんか!・・・」

どうやら結婚式に来た来賓の方々への料理に関しての指摘をしている様子。

そんな感じで話を聞いていたらどんな夢を見ているかほとんどわかってしまいます。

こればっかりはどうしようもないので、諦めて楽しんでいます。

ただ、大浦家の生活に慣れ、家族と接する機会が減った為か、

自分が結婚していて、息子と娘がいることを忘れてしまいました。

奥さんは、「ばあさん」と呼んでいた為か、お婆さんに。

子供たちは聞く日によって兄弟であったり、甥っ子姪っ子だったりします。

自分の年齢を考えたら明らかにおかしいのですが、かと言って、

自分の現在の年齢を分かっていないわけではなかったりします。

ちなみに、先ほどの夢の中での結婚相手は大浦家のスタッフでした。

以前に比べると、毎日楽しみながら、落ち着いて生活できるようになりました。

ご家族も安心して働き、生活できるようになりました。

 

今回はサエさんとシマさんを例に出しましたが、

他の家族(※大浦家入居者)も大なり小なりそれぞれ想う事はあるようです。

しかしたとえ本人の望みがわかっていても、どうにも出来ないことはあります。

生活環境や家族環境、経済状況や本人の身体状況、認知症の進行など、

私やスタッフはもちろん、ご家族ですらどうしようもできないこともある。

その中でご家族や私、そしてスタッフが力を合わせ、できうる限りの楽しい生活を過ごしてもらいたい。

そう思い、日々関わっています。

自意識過剰と思われるかもしれませんが、

みんな特別養護老人ホームや有料老人ホームではなく、

大浦家に来て良かったんじゃないかと私は思っています。

しかし、それでも考えてしまいます。

「本当にどうしようもないことなのか?」

「これは本当に本人にとっていいことなのか?」

「何かもっと良い方法はないのか?」と。

人生は一度きり。

やり直しはききません。

高齢であればなおさらです。

大浦家は家であり、そこに住む人はみんな私の家族です。

たとえ答えが出なくても、

「考える。」

「考え続ける。」

きっと、それが私に与えられた大切な役目であり、私にできる唯一のことなんだと思います。

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