大浦家日記~4月号~

皆さんこんばんは(●´∀`)ノ

あきひこです。

今年から始めたデートの日。

みんな楽しんでくれているようなので、

2ヶ月に1度は行ける様にペースを上げました♪

博物館、映画館、動物園、ものづくり体験、門司港レトロなどなど。

ただその分、スタッフは毎月どこに行ったらいいのかと

考えるのに必死なようです。(^-^;

どこに行くかも大事ですが、

それよりももっと大切な事があります。

それに気付き、成長したスタッフの姿を見るのが

今の私の密かな楽しみです。(←ドSやなぁ( *´艸`))

さて、今月の大浦家日記は大浦家の家族と生活していく中で、

私がどういう考えで、どう思って、行動しているか。

そんな私の頭の中をテーマに書いたものになっています。

普段、ぼけ~っとして何も考えていない様に見える私が、

実はこんな事を考えながら日々生活しているのかと、

少し、見直して頂けたら幸いです。

では、どうぞ♪

 

「 脚止め 」

 大浦家のリビングでは、

レクレーション時の移動や配置換えが行いやすいように、

正方形の二人掛けのテーブルを組み合わせて使用しています。

座る場所は、入居順・それぞれの相性、

介助のしやすさなどを考えて決めていますが、

一つだけ悩みの種が。

それは、シマさんの向かいの席に誰が座るかです。

今迄、色んな方が座ってみるも、

長くは続きませんでした。

その原因は、シマさんの脚。

彼が椅子に座っている時、常に脚を伸ばしているので、

向かいに座っている方が、イスを引いて座れないのです。

脚を引く様にお願いしても、

しばらくするとまた脚が出てきてしまいます。

その度にお願いするのですが、

難聴のある彼に度々お願いするのは難しく、

仕舞いには、そんなに出してないし、邪魔にはならん!と、

怒られてしまいます。

現在、シマさんの向かいに座るジュンさんも例外ではありませんでした。

そこで色々と考えた結果、

テーブルをDIYして脚止めを作る事にしました。

私は早速ホームセンターで必要な木材を購入し、準備はOK。

時間に余裕のある日を選び、

いざ、脚止めづくり!

玄関前のスペースにのこぎりなどの道具一式を用意し、

シマさんを誘います。

「シマさん、大工仕事があるけ手伝ってくれるかね?」

シマさんは元々大工をしていましたので、

返事はもちろんOK♪

元大工とはいっても、引退して随分経ち、

さらに左腕が悪いシマさんに大工仕事が出来ないであろうことは、

シマさんの状態を一目見れば、誰でも予想できます。

木材を切断する為、シマさんにのこぎりを持ってもらい、

鉛筆で線を引いている場所を切るようにお願いしてみましたが、

何度か挑戦してはみるものの、やはり途中で断念。

結局、その後は現場監督をお願いし、

私の作業を見守ってもらう事になりました。

それでも、私がシマさんを誘ったのには、いくつか理由があります。

その中の大きなものを3つご紹介。

一つ目の理由は、

その人の能力の範囲を周りの勝手な予想で狭めてはいけないと思うから。

周りが思い込んでいるだけで、

やってみたら案外出来たりする事は多々あります。

だから私は、自分が無理かなと予想した事でも、

他人に無理と言われた事でも、

とりあえずやってみて自分のこの目で確かめる様にしています。

また、一回目は出来なくても、

何度もやるうちに出来る様になる事もあります。

そうやって私は、

じじばばが周りの予想を裏切る場面を何度も見てきました。

二つ目の理由は、

やる気やチャレンジする気持ちを取り戻して欲しいから。

じじばばは身体が不自由になると、

あきらめてばかり。

だから、周りが働きかけをしないと徐々に何もしなくなっていきます。

そんなの哀しすぎます。

今まで一生懸命、仕事や家事や育児を頑張って来て、

いざ自由に出来る老後になってみたら、

諦める事ばかり。

結局やりたいことを出来ないまま人生を終えていいのでしょうか?

私は嫌です!

周りの手を煩わせたとしても、

遠慮せず、やりたいこと、楽しい事を一つでも多く実現して、

笑って最期を迎えて欲しい。

その為には、チャレンジする楽しさを知ってもらい、

遠慮を取り払う必要があります。

だから、まずは自分がやれるかな?と思う得意分野から誘います。

もし、本来お願いした事が出来なくても、

他の出来る部分を少しでもやってもらう。

あきらめていた自分でも、人の役に立ち、

感謝される事が出来ると感じてもらう。

そんな小さな事の積み重ねが、

最終的にやる気を芽生えさせ、

次のチャレンジに繋がって行きます。

大浦家の家族には、始めは嫌がっていたのに、

今では自分から「やろうか?」と言ってきてくれるようになった方もいます。

今回の場合、シマさんには現場監督をお願いしたので、

私は行程ごとにシマさんに、

「こんな感じでいいかね?」

と声を掛けました。

確認を仰ぐ事で、自分は頼られ、

役に立っているんだと感じてもらえるのではないかと思いました。

でも、実際は途中でスタッフが様子を見に来てシマさんと話していたら、

「わしゃ、棟梁(あきひこ)の弟子に入る事にした。」

と、予想外の反応があり、

思わず笑ってしまったのですが・・。

結果的にやる気になってくれていたようなので、良しとしました。

3つ目の理由は、

怒りの予防線です。

彼はとても怒りっぽいので、

突然自分の目の前のテーブルがどこかへ行き、

戻ってきたときに脚が伸ばせなくなっていたら、

もしかすると怒ってしまうかもしれません。

そして、その怒りの矛先がジュンさんへ向かってしまっては大変です。

それを防ぐ為に、シマさんにも脚止め作りを手伝ってもらう事にしました。

少なからず自分も汗を流し、

頑張って作った物に対しては悪い感情を持つのは難しい。

私の思惑はドはまり。

脚止めが完成し、リビングに戻った

シマさんは、

「これは大事に使わないかんけんね!」

と、しきりにジュンさんや周りの人へ訴えかけていたのでした。

 

「 言葉選び 」

 みなさんは、普段自分が話す言葉が

特定のタイプに偏っていることをご存知でしょうか?

人は、言葉遣いによって、

4つのタイプに分けられるそうです。

①視覚優位タイプ

②聴覚優位タイプ

③内部対話優位タイプ

④身体感覚優位タイプ

それぞれに、自身の性格を反映した特徴があり、

言葉遣いに現れるだけでなく、他人の話を聞く時、

同じタイプの言葉遣いだと受け入れやすいなどの効果もあるそうです。

優秀な営業マンは、お客さんの言葉遣いのタイプに合わせ、

トークをしていると聞いた事があります。

例えば、④の身体感覚優位タイプの人は、

直感やフィーリングを大事にし、

言葉遣いは、「いい感じ」「腑に落ちる」など、

感覚的な言語表現が多いそうです。

これと似たような事があります。

夕食後。

リビングでTVを見てくつろいでいます。

大浦家には決められた就寝時間がないので、

マルコさん以外はそれぞれ自分のタイミングで部屋に戻ります。

マルコさんは、以前ご家族と同居していた時と

同じ感覚で大浦家に居る様で、

大浦家をその時に通っていたデイサービスだと思っています。

なので、うまく声を掛けて誘導しないとお部屋には戻りません。

一番スムーズなのは、夕食後にトイレに立ったタイミングで

そのまま歯磨きをしてお部屋に誘導する流れ。

ただ、必ずしも夕食後にトイレに行くわけではないので、

その場合はこちらから声を掛けて誘導する必要があります。

では、声を掛けてみます。

「マルコさん、そろそろお部屋に戻って休みましょうか?」

『いや、まだいい。TV見よるけ。』

敢え無く失敗。

しばらくすると、

眠くなってきたマルコさんはテーブルに突っ伏して寝始めます。

もう一度チャレンジしてみます。

「マルコさん、お疲れでしょうからお布団でゆっくり休みましょうか。」

『いや、みんなまだここにおるけ、ここにおる。』

またまた失敗。

みんなが部屋に戻り、

リビングに誰もいなくなれば、

さすがに私も戻るとなるのですが、

時間は現在19時頃。

トミさんやアイさんはいつも22時頃までTVを見てくつろいでいるので、

それまでテーブルに突っ伏した状態のままにしておくのも可哀想。

さぁ、どうしましょう。

こんな、通常であれば簡単に出来る所に技術を必要とする所が、

認知症介護の特徴かもしれません。

実はこの事例、

とても簡単な事で解決します。

それは、言葉選びです。

言っている事はほとんど同じなのに、

マルコさんに合わせた言葉を選び、使う事で、

驚くほどすんなりとお部屋へ誘導する事ができます。

では、実際にやってみましょう。

「マルコさん、そろそろお部屋に帰って休みましょうか?」

『うん。そうやね。もう疲れたき帰って休もうかね。』

あら、すんなり成功。

一度目の声掛けとの違いにお気づきでしょうか?

そう、「戻る」という言葉を、

「帰る」という言葉に変えただけ。

このようなマジックワードとも言える言葉は、

探してみると意外とみんな持っていて、

特に言葉で説得する事の難しい認知症のある方をみる上でとても役に立ち、

周りで介助をする人を楽にしてくれます。

個人的には、認知症で特定の症状が強く出る方ほど、

このマジックワードが見つけやすい様な気がします。

マルコさんも普段色々と会話していると、

よく「帰る」という言葉を使っています。

おそらく、「帰る」事に強い執着や想いがあるのではないでしょうか。

だからこそ敏感に反応してしまう。

ずるい私は、そこを見逃さず、

その想いを逆手にとって利用しているのです。

ごめんね。マルコさん。

 

「 あとがき 」

 最近、ケアマネジャーの方と会った時に、

「○○の症状がある認知症の方の場合、どんな風に対応したらいいですか?」

と、聞かれる事が増えてきました。

そこで、今回はシマさんとマルコさんを例に、

私が認知症の方と関わる際の視点や考えている事をテーマに、

簡単ではありますが書いてみました。

過去の大浦家日記にも、私の視点や考えを書いたものがありますので、

是非、読んで頂ければ嬉しいです。(HPに過去分も全て掲載。)

ただ、誤解があってはいけないので、事前にお伝えしておきます。

私の認知症に対する考えや認知症の方に対する考え、

様々な症状に対する対応方法は、

すべて私自身が認知症の方と過ごしてきた実体験から学んだ、

個人的見解であり、医学的根拠があって言っているわけでもなければ、

認知症ケア専門士などの資格を有しているわけでもありません。

その点は予めご了承下さい。

(※(余談)無駄とまでは思いませんが、私は十人十色の認知症の方々を、

全体に当てはまるように標準化された認知症の勉強をして、

実際の認知症の方の対応ができるようになるとはどうしても思えないので、

教科書で勉強する気になりません。

そんな事をしなくても、

私の周りにはいつも、実践で教えてくれるじじばばが居てくれます。

教科書を見る時間があるなら、

みんなと少しでも関わる方が勉強になると思っています。

もっと言うと、私は認知症の事を知りたいわけではなく、

自分の目の前の人の事を知りたいだけです。

ただそれだけ考えてやってきたら、

こんな感じになっちゃったのです。(^-^;)

ただ、こんな私の個人的見解が、

少しでも困っている方の参考になり、力になるのであれば、

こんなに嬉しい事はありません。

もし、お力になれる事があれば、いつでもあきひこを使ってやって下さい。

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