大浦家・上津役家日記~R2.2月号~

皆さんこんばんは(●´∀`)ノ  
あきひこです。
お待たせいたしました。
今月は先月号で少し触れた内容について、
書いてみましたので、
是非、読んで頂ければ嬉しいです。

「 そうぞう 」

私には夢がある。
認知症の方が普通に生活できる町を創る事だ。
いつしかそれが、私が福祉の仕事をする上での目的となりました。
ただ、私にはこの目的を実現する為に何が必要なのか。
そんな知識も教えてくれる人脈も、
技術もなにもありません。
それでもそんな私を突き動かし、
行動へと掻き立てるのはこれのせい。
『想像』
なんら根拠があるわけではないので、
空想や夢想、妄想と言ってもいいかもしれません。
私の想像は、何らかの問いをぶつける事でスイッチが入ります。
まず、始めの問いはこれでした。
目的を実現する為の始めの一歩として、何をするべきだろう?
私の想像は、すぐに答えを出します。
町を創るのであればやはり始めは
町を構成するのに欠かせない、
『家』からではないか。と。
じゃあ、どんな家にする?
私の想像は徐々に勢いづいて行きます。
入居対象はもちろん、認知症の方が良いでしょ。
普通に生活できる様に、
ああしたらどうか、こうしたらどうか。
楽しい場所になる様に、
ああしたらどうか、こうしたらどうか。
家族が安心出来る様に、ああしたらどうか、こうしたらどうか。
私の頭の中で様々な想像が繰り広げられます。
意識しなくても想像のスイッチは入ったままで、
ふとした時に色々な、ああしたらどうか、こうしたらどうか。
が、頭の中を駆け巡ります。
それは料金体系や運営システムなどの細部にまで及び、
私にとっては目の前で実際の光景を見ている様に
リアルに感じられるのです。
自分の勝手な想像なので、
もちろんすごく理想的な光景が繰り広げられるのですが、
それをリアルに想像して、
これを実行したら何が見える?
みんな楽しんでる!喜んでる!
と、想像とは言え、その姿を一度見てしまうと、
やらない方がダメな様な気がして、
私はそれを実現する事を止められなくなるのです。
日々のレクから、入居者とのデート企画、
ボーリング大会、畑づくり、旅行、全てそうです。
私は頭の中で駆け巡る想像を、
忘れない様にすぐにメモし、
そして後からまとめて、
全体像が分かる様にし、
問題ないか?穴がないか?
実行に移すのに何が必要か?
などを調べ、実行に移して行きます。
始めに家を創ると決めて、
どの様にするか想像を巡らせる中で、
目的の町作りに向けてのとりあえずの一歩目の区切り、
目標をどこにするか、その答えが出てきました。
それは、
『生活する家』と『働く場所』。
そこまでを一歩目の目標にしよう。
認知症の人が働き、お金を稼ぎ、社会と繋がる。
一般の方も認知症の方と接する機会を持つ事で、
TVで垂れ流される一方的なイメージではなく、
等身大の認知症の人を知る事が出来、
理解も深まる。
考えるだけでワクワクし、また、想像が膨らみます。
仕事はお客さんと触れ合える接客業がいいな。
忘れてしまう事前提でメニューを絞り、
事前にお客さんにも周知した上で来てもらい、
お客さんが自分が頼んだ料理が
本当にちゃんと自分のもとへ提供されるのか
ドギマギしながら待つ。
注文した料理がちゃんと来たら、
なぜかがっかりしてしまう。
身体が元気な入居者にはウエイターや掃除、会計、皿洗い、
片付けなどをして働いてもらい、車いすの方などには、
シェアハウスの畑で採れた野菜などを使った
漬物などの加工食品を作り、店頭販売する。
そしたら、どんな方でもみんな働く事ができる!
最高に面白そう!
よし!それじゃあここまでを一区切りの目標にしよう!と、
まぁこんな感じ。
今、この目標の達成に向けて、
頑張っております。
少し残念なのは、私が実現する前にこれを他が実現してしまった事。
ネットで『注文を間違える料理店』で検索して頂くと出てきます。
これは、私が大浦家を始めてしばらくして営業周りの際に、
先々こんな事がしたいとケアマネさんと話していた時に、
そういえば最近期間限定だが、
似たような事をしている所があったような・・・。と、
教えて頂き、知りました。
帰って早速調べてみると、そこには
正に私が想像の中で見た光景が広がっていました。
まぁ私と同じような事を考える人は沢山いるって事ですね。
期間限定とは言え、反響は素晴らしく、
今ではあらゆる企業と連携して、
全国各地で期間限定で取り組みが活発化しているようです。
残念な気持ちはありましたが、
逆に私は、やっぱり実現出来るんじゃん!と、
自分の想像が実現不可能ではないと証明された気がして
嬉しくもありました。
今は、
他所は他所、うちはうち!
うちは期間限定ではなく、
中身もうちならではの、
店を創るぞ!と、思っています。
これが、先月号でお話しした、
来年から再来年にかけて取り掛かる予定のチャレンジの内容です。
私が独立する時に決めた、始めの1歩目の目標地点。
その実現まであと少し。
しっかりと準備をしていきたいと思います。
これまでと同じ様に、
『想像』した光景を絶対に実現出来ると信じて、
『創造』して行きます。
想像の中で見た、
シェアハウスの家族のみんなの笑顔を現実のものにするために。

「 物は言いよう 」

上津役家のフジさん。
彼女は身体は元気ですが、
認知症により、記憶障害はもちろん、
見当識障害、失行、失認、失語、
実行機能障害のいずれの症状も見られます。
専門用語でよくわからいと言う方の為に簡単に説明すると、
覚えられない、日付や時間周りの人と自分のの関係や
自分の置かれている状況がわからない、服の着替え方がわからない、
ごみ箱をトイレと間違える、読み書き計算が難しくなる、
何かをする時にどういう順番ですれば、何をすればいいかわからない。
と、言う状態です。
彼女はとても明るく笑顔が素敵な方で、
入居後すぐに上津役家に馴染む事ができました。
なので、帰宅願望や徘徊症状があるわけではないのですが、
何の気なしにちょっと外へ出てしまい、そのうち帰り方が分からなくなり、
警察のお世話になる。
そういう事が数回ありました。
ある時は、上津役から中間の方まで歩いて行っていた事もありました。
そんな彼女の為に、ご家族にお願いし、
GPS装置を利用する事になりました。
装置の大きさは、縦6センチ横4センチ程度。
普通に持たせたり、ポケットに入れて置くと、紛失してしまうので、
色々考えた末、紐をつけ、
首から掛けてもらう事にしました。
しかし、それでも違和感があるのか、
時々自分で外してしまいます。
「これは大切な物だからちゃんと つけておいてね。」
そう言っても、当然すぐに忘れてしまい、また同じ事の繰り返し。
この様な時、フジさんにGPSを 常に身に付けてもらうためには、
いったいどうすればよいのでしょうか?
服に縫い付ける?
服はいつも同じものを着ているわけではないし、
その日の中でも朝着ていた服を昼には脱いでいたりする事も
あるので難しい。
靴底にしのばせる?
しのばせた靴を履いて外に出るかわからないので難しい。
結局は周りの人間が気を付けて目を配るしかないのですが、
それでもあまり外さなくなる方法が無いわけではありません。
少し時間がかかりますが、
それは、フジさんにGPSを身につける事に対して良い印象を
持ってもらう事です。
以前書いた事がありますが、
認知症で記憶に障害があっても、
何も残らないわけではありません。
感情や印象は必ずその方の中に残ります。
例えば女性であれば、
「わぁ!そのピアスめっちゃ可愛い!どこで買ったの?」
男性であれば、
「おっ!その時計どこの?カッコイイじゃん!」
こんな風に周りに言われたら、
嬉しくてまた着けようと思いますよね。
この様な感じでフジさんにも声掛けをしていくのです。
本人が嬉しいと思えばどんな声掛けでもいいのですが、
例えば、
「あら、フジさん!とっても可愛いの着けてますね♪
これが娘さんがくれたお守りですか、いいね~♪
無くさない様に大切にせないかんね~♪」
こんな感じ。
これを続ける事で、少しづつ、
GPSが大切な物で持っておきたいという
印象や気持ちを大きくしていきます。
現時点でも、こうやって声掛けをすると、
しない時よりも外さない事が多くなってきています。
同じ内容でも、どういう言葉を選び、
どの様なテンションで言うか。
それ次第で受け取る側の印象は全く違うものになります。
正に『物は言いよう』。
言葉って面白いですね。
皆さんも普段誰かと話す時、
言葉を選んで使っていますか?