大浦家・上津役家日記~R2.6月号~

皆さんこんばんは。
あきひこです。
遅くなりましたが、
今月も読んで頂ければ嬉しいです。
では、どうぞ。

「 天国のあなたへ 」

令和2年6月7日。
上津役家4男である、
タケさんが天国へ行きました。
享年86歳。
(仮名で書きたくないので、以降は「あなた」と書きます。)
あなたと初めて会ったのは、
あなたとヒロさんが上津役家へ見学に来た時でした。
施設の話を少しでもしようものなら、
森にでも行って自殺しようと本気で話し合う2人を見て、
ご家族がどうやって見学に連れて来ようかと
苦労していたのを思い出します。
何とか見学に連れてきて、
何とか体験入居をしてもらい、
何とか入居をしてもらいました。
入居当初は家に帰りたいといって、
何度か家に帰ろうとする事もありましたが、
上津役家での生活に慣れるにつれてそれも落ち着いていきました。
入れ歯を付けるのが嫌いで、
食事は入れ歯なしで食べていましたね。
食べる物も自分が食べたい物しか食べず、
よくお嫁さんが自宅に居た時に食べていたおかずを、
作って持って来てくれた事もありましたね。
まだ身体が元気な頃は精力的に畑で野菜づくりなどをしていたあなたが、
身体があまり言う事を聞かなくなってからは出不精になりました。
上津役家スタッフは手を変え品を変え、
何とか外に出そう、
レクレーションに参加してもらおうと苦労していたのを思い出します。
飴が好きで、食後部屋に戻ると言って部屋に連れて来るなり、
『飴ちょうだい』と、
いつもスタッフに飴をおねだりしていましたね。
一度しないと言ったら頑としてやらないといった
頑固な所もありましたが、あなたの素敵な所は、
何と言ってもその愛情でした。
奥様のヒロさんに妄想症状が出て、
あなたが浮気したとカンカンに怒り出した時がありましたね。
ヒロさんはあなたの手を痣が出来るほど思い切り叩き続けました。
それでもあなたは反論する事なくその妄想に付き合い、
『ごめん、ごめん』
と謝り、落ち着くまで付き合っていました。
症状のせいで激しい行為に及ぶ事もありましたが、
ヒロさんもいつもあなたの事を気にかけていました。
口では文句を言いながらも、
あなたの身の回りの世話を甲斐甲斐しくしていましたよね。
あなたとヒロさん夫婦を見ていると、
傍から見ている私達が思っている以上に、
お互いの絆の強さ、愛情の深さがあるんだろうなぁ。
わたしも将来人生を共にする相手とは、
あなた達の様な強くて深い愛情を築きたいと心から思いました。
最後にあなたに会ったのは、
今年の2月の始めのお誕生日の時でしたね。
昨年末頃より、
急に物を食べたくないと、食べる事を止め、
何をしても言っても食べず、体調を崩すようになり、
入院を余儀なくされました。
入院中も食事を一切摂らず、
点滴などで栄養状態を維持していたあなた。
少しでも元気を出してご飯を食べ、帰って来てほしいと、
ヒロさんの写真をいっぱい貼った誕生日ボードとプレゼントを持って、
ヒロさんと一緒にお見舞いに行きました。
あなたはプレゼントとボードを見て、
目に涙を浮かべ、喜んでくれましたね。
頑張ってご飯を食べると約束もしてくれました。
職業柄、食事を摂れなくなると危ない事は
何度も経験しているのでわかっていました。
それでも、何とか元気を取り戻して欲しいと願っていました。
しかしその後も中々食事が摂れず、
私達の願いは叶う事なく、
あなたは先にいってしまいました。
ご家族の話しでは、入院が長くなり、
ベットで過ごす時間が増えたあなたは、
身体の拘縮が進み、膝は伸ばせなくなり、
少し身体を動かそうとしただけでも
激しく痛がるようになっていたと聞きました。
食事を摂らなくなってから半年程。
もしかしたらあなたは、
ご家族や私達の願いを叶える為に、
すごく頑張ってここまで耐えてくれたのかもしれません。
今は痛みからも解放され、
天国で大好きなお酒と大好きな甘い物と
大好きな白ご飯を目いっぱい食べているかな?
前にもう一度だけでいいから、
会いたいと話していた河童にも会えたかな?
会えていたらいいなぁ。
多分、あなたの唯一の心残りは、
ヒロさんを残していったことだと思います。
でも安心してね。
ヒロさんがこれからも安心して楽しく過ごせるように、
今度は私達が頑張るから。
あなたとしたかった事、
あなたにしてあげたかった事、
考えたらキリがありません。
後悔だらけです。
そのあなたに対しての後悔の分も、
ヒロさんに楽しんで貰えるように頑張るから。
安心していつもの可愛い笑顔で見守っていてね。

ご家族の皆様へ。
この度はお悔やみ申し上げます。
タケさんの最後の家として、上津役家を選んで下さった事、
本当にありがとうございます。
タケさんと出会い、生活を共にし、色々な事を一緒にして、
楽しい時間を共にした日々は、
私達の一生の想い出であり、私達の財産です。
スタッフ一同、
心より故人様のご冥福をお祈り申し上げます。