大浦家・上津役家日記~R2.12・R3.1合併号~

新年、明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。

皆さんこんばんは(●´∀`)ノ 
あきひこです。 
新年のご挨拶が遅くなり、大変申し訳ございません。
今年も皆さんに楽しんで頂けるよう、頑張って書いて参りますので、
是非、読んで頂ければ嬉しいです。

「 六男 」

令和2年11月1日。
 上津役家六男となる、ザキさんが家族の仲間入りしました。
 御年95歳。
 ザキさんは元々ご家族と一緒に生活していました。
 平成26年頃より認知症が発症。
 記憶障害はもちろん、被害妄想などの症状も出ていたとの事。
 ご家族と同居しているとは言っても、ご家族が仕事に行っている間、
 どうしても1人になる時間があります。
 その内、
 1人でふらっと外に出て帰り方がわからなくなり、
 近所の方や警察にお世話になるという事が増えてきました。
 その後、デイサービスやヘルパーサービスを出来る限り利用し、
 1人になる時間を減らす事でそのような事も無くなり、
 認知症の周辺症状も落ち着いて来たそうです。
 しかし、それでも1人になる時間が完全に無くなったわけではなく、
 ご家族の心配は拭いきれず。
 また、長期に渡る介護生活に疲弊していた部分もあり、
 彼に合う施設が無いか探していた所、
 担当のケアマネさんに弊社を紹介され、見学、体験、入居となりました。
 住み慣れた自宅から施設へ入居するに当たり、
 ご家族は本人へどう説明をしたら良いか悩まれていました。
 そのまま正直に話しても、
 絶対嫌がるだろうし、それにより与えるストレスから、
 どの様な状態の変化が出るかわからない。
 ご家族から相談を受け、とりあえず、
 まずご本人が上津役家へ来るのに納得しそうな説明をして
 お連れして頂ければ、その後は本人の状態を見ながら、
 適宜対応させて頂く旨をお伝えしました。
 そして、
 長期で家を空ける事情が出来た為、その間だけ上津役家に泊まる。
 ご家族からそう説明を受け、
 彼は上津役家へやってきました。                                    
 そうはいっても彼には認知症による記憶障害があります。
 すぐになぜ自分が上津役家に居るのか分からなくなり、
 不安で落ち着きがなくなって、
 あちらこちらと手掛かりを探すように上津役家を歩き回ります。
 その都度スタッフがご家族と同様の説明をし、
 理解をしてもらいます。
 また彼は戦争体験者で、本人曰く、
 若くして志願兵となり、
 知覧で襲撃機の操縦士として特攻兵の方々と一緒に戦った事を良く話し、
 その間は家に帰れない不安感なども無く、話に没頭するので、
 何度も戦時中の話しを聞くなどして対応していました。
 そして、1週間、2週間と日が経つにつれて、少し変化が出て来ました。
 先程と同様に、落ち着きが無くなった際に、
 「今日私は家に帰らんのかね?」
 と聞く彼に、
 『今日はココに泊まりますよ。』
 と答えると、
 「そっか、それならよかった~。安心しました。
  よろしくお願いします。」
 という様な言葉が返って来るようになったのです。
 それを受けて私はご家族に連絡し、
 本当は旅行ではなく、
 今後は上津役家に引っ越して生活して行くという、
 本当の事を次の面会の時にでも話して下さい。と、
 お願いしました。
 ご家族の方は、
 少し心配そうな様子でこちらのお願いを受け入れて下さいました。
 もしかしたら、このような時、
 必ずしも本当の事を本人に話す必要はないのかもしれません。
 私が施設に勤めていた頃は、
 本人に本当の事を話す事はあまりなかったと思います。
 それは、現時点で本人が落ち着き始めているのに、
 そこでまた現実を突きつけてストレスを与えてしまう事の影響や、
 話したとしても記憶障害により忘れてしまうのに、
 毎回事実を話してストレスを与えてしまうよりも、
 本人が納得しやすい理由を伝えた方が、
 本人の為だと会社が考えていたのかもしれません。
 ・・・確かにそうかもしれません。
 実際に、ザキさんもご家族に上津役家に住むと話して頂いた後も、
 その事を忘れ、何度も聞きに来られます。
 ただ私は、話せる状態の方であれば、
 出来る限り正直に話した方が良いのではないかと思っています。
 それは、私達が入居者の方々に出来る限り誠意を持って
 正直に付き合いたいという想いと、
 何度説明する事になっても、どこかでなんとなくでも、
 もう自宅で生活する事が出来ないという現実を受け入れて頂いた方が、
 その後の生活を楽しんで送れるのではないかと思うから。
 そしてご家族に、
 本人を騙し続けて上津役家に入居させているという罪悪感を、
 抱えたままでいて欲しくないと思うからです。
 もちろん個人差がありますので、
 本当の事を言わない方がいいという判断をする事もありますが、
 出来る限りご家族の協力の下、
 私達介護スタッフの努力で本当の事を話し、
 その上で安心して生活を楽しめるようにして行きたいと思っています。
 今後、ザキさんにどの様な変化が現れるか、楽しみにしつつ、
 またご報告したいと思います。

「 七男 」

令和2年12月7日。
 上津役家七男となる、コウさんが家族の仲間入りしました。
 前述のザキさんと同じく、御年95歳。
 コウさんも元々は、ご家族と一緒に生活していました。
 入居前のご家族の話しでは、
 9月頃より認知症の進行が見られ、
 夜間にあまり眠らず、何かある毎に声を上げ、
 昼も夜もなくご家族を呼び何かを訴える。
 ショートステイなども利用はしているが、元来の寂しがりな性格もあり、
 外泊する事を嫌がる為、頻繁には利用できず。
 肉体的にも精神的にも少し参って来ており、
 せめて、夜間にしっかり眠ってもらえないか病院に相談した所、
 近々入院して薬の調整をする事になったとの事。
 そして、その時に病院のソーシャルワーカーの方から、
 上津役家の話しを聞き、
 この機会にコウさんに合いそうな所があれば、
 施設への入居を検討してみようと思い、見学に来たとの事でした。
 見学を終え、私が心配した点は、
 次の2点でした。
 ①この時点での空室は2人部屋のみなので、
 夜間眠れない事で同室の方への影響が出ないか。
 ②ご家族の希望としては、
 調整入院後に自宅へ戻らずに
 そのまま上津役家へ入居したいとの事でしたが、
 コロナ感染予防の為もあり、
 入院する病院が、
 入院中に一時外泊の許可を出せないという事。
 つまり、体験入居を事前に行えないという事。
 とりあえずは入院後、
 退院の目途が立った時点で病院での事前の面談をさせて頂く旨お伝えし、
 見学は終了となりました。
 それから1ヶ月ほど。
 いよいよご本人との面会。
 元々は自力で歩けていたそうですが、
 入院中に転倒し、腰椎の圧迫骨折をしていまい、
 彼は車イスに乗っていました。
 受け答えもはっきりしており、
 こちらが予想していたよりも認知症の状態は軽度で、
 多少の記憶障害は見られるものの、
 記憶の保持もかなり出来ていました。
 担当の看護士さんに夜間の様子などを確認した所、
 現在では夜間もしっかり眠れているとの事でした。
 とりあえず受け入れに問題はなさそうで安心しました。
 後は、面談時もしきりに話していましたが、
「家に帰りたい」という本人の強い希望にどう対処するかでした。
「もう90過ぎてるんだから、
 どう死んでもいいからどうしても家に帰りたい。」
 そう強く言われると、
 こちらとしても気持ちが分かるだけに、
 何とか自宅に帰してあげたいというのが本音ですが、
 実際はそうもいきません。
 入院前に自宅で生活している状態で、
 既に身の回りの世話をしていたご家族が参っているのに、
 圧迫骨折をしている今の状態では、
 今まで以上にご家族に負担が掛かってしまうからです。
 ご家族や担当看護士の話しから、
 彼に正直に退院後は上津役家に
 入居すると話しても拒否される事はわかっていたので、
 結局、心苦しくはありますが、
 退院後に元の状態に戻って家に帰る為の生活リハビリ施設の様な所と話して、上津役家に来て頂く事になりました。
今後、彼に対してどう対応し、どう変わっていくのか。
ザキさん同様、楽しみにしていて下さい。