大浦家・上津役家日記~R3.10月号~

皆さんこんばんは(●´∀`)ノ あきひこです。
お待たせいたしました。
今月もどうぞよろしくお願い致します。

「 家 」

今までに、過去の大浦家・上津役家日記にて、
弊社のサービス内容や独自の仕組みなどを色々と
ご紹介してきました。
改めて過去の内容を見返してみた所、
まだご紹介していなかった事がありました。
そこで、今回はその点について、
皆様にご紹介・説明をさせて頂きたいと思います。
それは、住環境となる『家』についてです。
私は元々、十数年認知症専門の介護施設に勤めていました。
その中で、様々な認知症の症状のある方と過ごしてきました。
そして認知症の方と関わって行く上で、
受け入れをする施設やそのサービス内容、
職員の関わり方等の環境がどうあるのが一番良いのか。
ずっと考えてきました。
大浦家・上津役家は、私なりのそのひとつの答えとして設立しました。
そして本題となる『家』についてですが、
私は勤めていた時に、帰宅願望のある方や、
一般的に徘徊と言われる症状のある方を何人も見てきました。
自宅で生活する事が難しくなり、
施設に入居する事になった方々の、
「帰りたい」
その、心からの声を何度も耳にしました。
施設で生活する事を受け入れている方も多少いましたが、
殆どの方は施設での生活を受け入れるというよりも、
もう帰る事は出来ないのだと諦めている様に私には感じられました。
その想いを感じる度に、
私はどうする事も出来ない現実に悲しい気持ちになりました。
そしてどうすればいいのか悩み、考えました。
皆、それぞれの家庭環境があり、仕方なく施設に入居します。
それはどうしようもない事です。
それならば、入居者の方が、
自分の家だと思える施設を創ればいいのではないか?
仮に本当の自分の家とは思わなくても、安心して過ごす事の出来る、
『第2の我が家』の様に感じられれば、
それだけで全然これまでとは変わってくるんじゃないか?
私は悩んだ時、自分が高齢者だったらどう思うか、感じるかを想像します。
自分が年老いて施設に入らなくてはならなくなった時。
病院の様な綺麗で設備も整っているけど、
生活感のあまり感じられない場所で毎日過ごしたとして、
その場所を自分の居場所だと思えるか?
その場所を自分の家だと思えるか?
答えは「思えない」でした。
高齢者の施設として考えた時、
一般家屋には多くの無駄な動線や段差があり、
その部分をマイナスと考える方が多いように思います。
だから一般家屋を利用したデイサービスなどでも、
無駄な壁や段差を解消するなどの改修をしている所が多いです。
介護施設も同様で、
そのほとんどが介護者にとって動きやすい動線になるように
作られている所がほとんどです。
その結果、
無機質で生活感の無い落ち着かない環境になってしまうのではないでしょうか。
私は逆に、その部分をプラスだと思いました。
無駄な動線は、
私達介護者側にとっては非効率な部分でしかありませんが、
入居者の方にとっては、
くつろげる場所や憩いの場になるかもしれない。
段差は、
積極的に外出活動などをしようと考えていたので、
日常的に足をしっかり上げて歩く事に慣れて頂くのに最適だと思いました。
バリアフリーに慣れてしまうと足を上げる必要が無い為、
徐々にすり足での歩行になってしまいます。
その結果、外出した時に転倒しやすくなってしまうのです。
歩行が不安定な人や車いすの人はどうするの?
と思われるかもしれませんが、
そこを支援する為に我々介護職員がいるのです。
自宅でひとり、車いすで生活しないといけないのであれば、
バリアフリーの方がいいでしょう。
しかし、それが出来ない、危ない、
誰かの支援が必要となって皆さん施設に入ります。
支援してもらえる人がいる環境なのであれば、
段差など何の問題にもなりません。
逆に少しでも自分で歩く力のある方であれば、
室内をただ移動するだけで何度も足の上げ下げをする事になり、
それだけで軽いリハビリになります。
そして何よりも介護者の為ではなく、人が生活する為に作られた一般家屋。
生活していく中で住み慣れ、落ち着く環境になっていくのは当然。
そう考え、
大浦家・上津役家はこの利点の多い一般家屋をそのまま利用する事にしました。
そしてそれは、
間違いなかったと実感しています。
例えば、上津役家家族のヒロさん。
彼女は元々自宅で家族と生活していましたが、
家で見る事が難しくなり、
ご夫婦揃って上津役家へご入居される事になりました。
しかしご夫婦はとても仲が良く、
そして自宅での生活をとても大切に思っていました。
ですから、
ご家族もおふたりを上津役家に連れて来るのにとても苦労されていました。
ご家族が少しでも「施設」という言葉を出そうものなら、
ふたりで山にでも行って心中しようと本気で相談をし始めるのです。
そんなふたりも入居して数か月も経つと「帰りたい」と言う事も無くなりました。
ご主人のタケさんは昨年お亡くなりになってしまいましたが、
奥様のヒロさんは今では完全に上津役家を自分の家だと思っています。
他にも、上津役家家族のスミさん。
彼女は元々、住宅型有料老人ホームに入居されてました。
入居中住んでいた自宅に帰りたいと、
何度も施設を出ようとされていたそうです。
彼女もしばらくして落ち着き、
今では「帰りたい」という事も無く、
上津役家で自分の家の様に落ち着いて過ごされています。
大浦家の方も、もちろん同様です。
トミさんは入居時はその経緯から、
とても激昂されていましたが、
今では大浦家のお局さんと言っていいほど、大浦家に馴染んでいます。
2018年に大浦家で看取ったマコさん。
彼女は亡くなる前に体調を崩し、入院されていたのですが、
ご家族は医師から、
今の状態では退院後に大浦家に帰るのは難しいだろうと言われ、
医療体制の整った介護施設への転居を検討していました。
しかし、入院中のある日、
今後どうするかの話し合いの為、病院に行って彼女の病室を訪れた際、
彼女は私の顔を見た途端に、
「わぁ~!やっと来てくれた~!」
と涙を流し、大喜びしてくれました。
ご家族はその姿を見て、
彼女のどうしても大浦家に帰りたいとの意思を汲み、
大浦家に帰って来る事になりました。
驚く事に帰って来てからの彼女は、
入院中に医師が心配していた症状は落ち着き、
亡くなるまでにサーカスを見に行く事もできました。
ご家族様は
「あの時、他の施設へ移さなくて本当に良かった。
母も最期まで大浦家で過ごす事が出来て
本当に喜んでいると思います。」
と言って下さいました。
あの時はじめて自分が想い描いた、
『高齢者にとっての第2の我が家』
を実現出来たのではないかと実感し、とても嬉しかった。
この日の事はいつまでも忘れません。
またその他にも、
私が施設勤めをしていた時に比べ、
一般家屋を改修しない事と合わせて、
掃除洗濯、買い物、調理、お出かけなど、
スタッフがお手伝いしながらご本人が出来る範囲で
普通に近い生活をする事で、
日常生活の中で自然と身体を動かし、
身体機能や生活意欲の低下をかなり防ぐ事が出来ていると思います。
無駄な動線も、
思った通り誰かが落ち着くスベースになっていたり、
皆の憩いのスペースとなっています。
私は、弊社のこのやり方や考え方が正しいと言いたい訳ではありません。
人間は十人十色。
落ち着く環境や好みも人それぞれ。
ならば、その人達を受け入れる施設も色々な形や
環境があるべきなのではないかと思うのです。
詰まる所、
全ての高齢者施設の最終的な目的は、
認知症や障害などのある方々の、理想の場所を創る事なのだと思います。
だから弊社も現状に満足せず、
目標に向けて考え、チャレンジし、試行錯誤を重ね続けます。
今よりももっと過ごしやすく、
今よりももっと笑顔あふれる、
今よりももっと我が家だと感じる事の出来る、
そんな皆さんに喜ばれる『家』を創れるように。
そしてもっとたくさんの方のお役に立てる会社になれるように。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です